JIS規格の履歴書とは?厚生労働省様式との違い
求人票や応募要項に「JIS規格の履歴書」と書かれていて、どの履歴書を使えばよいのか迷う方は少なくありません。JIS規格の履歴書は長く日本の標準とされてきましたが、2020年に規格から様式例が削除され、2021年からは厚生労働省が公表した様式が新しい標準になっています。この記事では、JIS規格の履歴書とは何か、厚生労働省様式や市販・Web様式との違い、正社員への転職でどれを選ぶべきか、JIS規格を指定されたときの対応を順に説明します。

JIS規格の履歴書とは
JIS規格の履歴書とは、日本産業規格(JIS)の「JIS Z 8303 帳票の設計基準」に付属していた様式例をもとに作られた履歴書のことです。氏名・生年月日・住所・学歴・職歴・免許資格・志望動機・本人希望記入欄といった項目の並びと、見開きB4(またはA3)で左右2ページという形が、長年にわたって日本の履歴書の標準として使われてきました。文具店やコンビニで売られている履歴書の多くが、この様式を土台にしています。
ただし、このJISの様式例は2020年7月の規格改正で削除されました。つまり現在は「JISが定める履歴書」は正式には存在せず、「JIS規格」と表記して売られている履歴書は、削除前の様式例を踏襲した製品という位置づけです。応募先が「JIS規格」と言うときも、多くの場合は「昔ながらの標準的な項目がそろった履歴書」という意味で使われています。
厚生労働省様式との違い
JISの様式例が削除された後、2021年4月に厚生労働省が「履歴書の様式例」を公表しました。これが現在の公的な標準です。JIS規格の履歴書と厚生労働省様式の項目は大部分が共通していますが、応募者のプライバシーに関わる項目が見直されています。
性別欄は「男・女」の選択式ではなく、記載が任意になりました。書きたくない場合は空欄のままで構いません。また、JIS規格の履歴書にあった通勤時間・扶養家族数・配偶者の有無・配偶者の扶養義務の4項目は、厚生労働省様式には設けられていません。これらは採用の判断に本来関係のない項目であり、書く必要がなくなったと考えてください。学歴・職歴、免許・資格、志望動機、本人希望記入欄、写真欄は従来どおりあります。
- 性別:JISは男・女の選択、厚生労働省様式は任意記載(空欄でよい)
- 通勤時間・扶養家族数・配偶者・配偶者の扶養義務:JISにはある、厚生労働省様式にはない
- 学歴・職歴、免許・資格、志望動機、本人希望記入欄:どちらにもある
- 写真欄:どちらにもある(厚生労働省様式でも写真は貼る)
市販の履歴書・Web様式との違い
市販の履歴書には、JIS規格を踏襲したもの、厚生労働省様式に合わせたもの、メーカー独自に項目を足したものがあります。転職者向けとして職務経歴の欄を広くしたもの、パート・アルバイト向けに希望勤務日の欄を設けたものなどが代表的です。表紙に「JIS規格」「厚生労働省様式」と書かれていることが多いので、購入するときに確認できます。
パソコンやスマホで作成するWeb様式の履歴書は、テンプレートによって項目が異なります。多くはJIS規格か厚生労働省様式のどちらかを土台にしていて、必要な項目を選べるものもあります。作成後はPDFにして印刷またはデータで提出するのが一般的で、手書きより修正がしやすい点が利点です。ただし、応募先が手書きを指定している場合はそれに従ってください。
転職ではどの様式を選ぶか
正社員への転職では、指定がなければ厚生労働省様式を選べば問題ありません。現在の公的な標準であり、性別や家族構成を書かなくてよいため、応募者側の負担が少ないからです。項目の並びはJIS規格とほぼ同じなので、採用担当者が読み慣れていないということもありません。
職務経歴書を別に提出する転職では、履歴書の職歴欄は会社名と在籍期間、簡単な職務内容がわかれば十分です。履歴書側に職歴欄が広い様式を選ぶ必要はなく、志望動機や本人希望記入欄をきちんと書けるかどうかで様式を選んでください。求人票に「履歴書は当社指定様式」とある場合は、応募先のフォーマットを使います。
JIS規格の履歴書と指定されたときの対応
応募要項に「JIS規格の履歴書」と書かれている場合は、市販またはWebのJIS規格準拠の様式を使うのが最も確実です。JISの様式例が規格から削除されている以上、指定の意図は「標準的な項目がそろっていればよい」であることがほとんどですが、指定されたものに従うのが応募の基本です。厚生労働省様式で提出してよいか迷う場合は、応募先に確認するか、JIS規格準拠の様式を選んでください。
JIS規格準拠の様式を使う場合は、通勤時間・扶養家族・配偶者の欄も記入します。指定の様式で空欄が目立つと、書き忘れと受け取られるためです。通勤時間は転居予定があれば「転居予定のため未定」のように書けます。性別欄は、記載したくなければ空欄でも問題ありませんが、気になる場合は応募先に確認してください。
通勤時間:約45分(転居予定のため、入社時に変更の可能性あり) 扶養家族数(配偶者を除く):0人 配偶者:無 配偶者の扶養義務:無
様式に関わらず押さえたい共通ルール
どの様式を使っても、書き方の基本は変わりません。日付は提出日または投函日にそろえる、西暦か和暦を全体で統一する、学歴・職歴の最後の行に「以上」を書く、写真は3か月以内に撮影したものを貼る、修正液や修正テープは使わない、といった点です。様式で迷う時間より、志望動機と職歴の中身に時間を使うほうが結果につながります。
- 日付は提出日または投函日に合わせる
- 西暦・和暦はどちらかに統一する
- 学歴・職歴の最後に「以上」を書く
- 写真は3か月以内に撮影したものを使う
- 書き間違えたら修正せず、新しい用紙に書き直す
よくある質問
JIS規格の履歴書は今も使えますか
使えます。JISの様式例は2020年に規格から削除されましたが、それを踏襲した「JIS規格」表記の履歴書は今も販売されており、応募書類として受け付けられないことはありません。ただし通勤時間や扶養家族など、現在は書く必要がないとされる項目が残っているため、指定がなければ厚生労働省様式を選ぶほうが負担は少なくなります。
厚生労働省様式で提出すると不利になりますか
不利にはなりません。厚生労働省様式は2021年から公的な標準とされている様式で、企業の採用担当者にも広く知られています。項目の並びもJIS規格とほぼ同じです。応募先から「JIS規格で」と明確に指定されている場合を除き、厚生労働省様式で問題ありません。指定がある場合は指定に従ってください。
JIS規格の履歴書に性別欄がある場合、書かなくてもよいですか
書かなくても構いません。厚生労働省は2021年の様式例で性別を任意記載としており、市販のJIS規格の履歴書でも、近年は性別欄を選択式ではなく任意の記入欄に変えた製品が増えています。空欄にすること自体で不利になることは考えにくいですが、気になる場合は応募先に確認してください。
転職では履歴書のほかに職務経歴書も必要ですか
正社員への転職では、ほとんどの企業が履歴書と職務経歴書の両方を求めます。履歴書はどの様式でも職歴欄が狭いため、担当した業務や実績は職務経歴書に書き、履歴書の職歴欄は会社名・在籍期間・簡単な職務内容にとどめます。応募要項に職務経歴書の記載がなくても、添えて損はありません。
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