転職用の履歴書の書き方。新卒との違いと職歴・志望動機の書き方
転職用の履歴書は、新卒のときに書いた履歴書と同じ様式でも、見られるポイントがまったく違います。新卒では学歴や自己PRが中心でしたが、転職では職歴の内容と一貫性、退職理由の妥当性、そしてなぜその会社なのかという志望動機の具体性が評価の軸になります。この記事では、学歴はどこから書くか、職歴欄はどう並べるか、在職中の場合はどう書くか、志望動機はどう組み立てるかを順番に説明し、最後に転職の履歴書でよくある失敗をまとめます。職務経歴書との使い分けも合わせて確認してください。

転職の履歴書は新卒と何が違うか。採用担当者が見る3つの点
転職の履歴書で採用担当者がまず見るのは職歴です。どの会社にいつ入り、いつ辞め、どんな業務をしていたかを確認し、そのキャリアが応募職種につながっているか、転職の回数や間隔に不自然な点がないかを読み取ります。新卒のように学歴やサークル活動で人柄を推し量るのではなく、これまでの仕事の事実から次の仕事での再現性を判断するのが転職の選考です。
次に見られるのが退職理由です。履歴書の職歴欄には「一身上の都合により退職」と書くのが一般的で、詳しい理由は面接で聞かれます。ただし、短期間での転職が続いている場合や、空白期間が長い場合は、履歴書の段階で理由を簡潔に添えたほうが安心されることもあります。隠すのではなく、聞かれたら答えられる準備をしておくことが大切です。
3つめが志望動機の具体性です。新卒では業界への興味や将来の夢を語ることが許されましたが、転職では「これまでの経験をこの会社でどう活かせるか」を書く必要があります。どの会社にも当てはまる志望動機は、経験者の応募書類としては弱く見られます。この3点を意識して各欄を埋めていけば、転職用の履歴書として形になります。
学歴は高校卒業から書く
転職の履歴書では、学歴は高校卒業から書き始めるのが一般的です。新卒の履歴書では中学卒業から書くことが多いですが、社会人経験のある応募者に対して中学の情報は選考上ほとんど意味がなく、職歴のスペースを圧迫するだけです。学歴欄の1行目に「学歴」と中央に書き、次の行から「〇〇高等学校 卒業」と続けます。
高校卒業、大学入学、大学卒業のように、入学と卒業を1行ずつ書きます。学校名は「〇〇高校」ではなく「〇〇県立〇〇高等学校」のように正式名称で、大学は学部・学科まで書きます。年は西暦か和暦のどちらかに統一し、職歴欄や日付欄とも同じ表記にそろえてください。
中退や休学がある場合はその事実を書き、簡潔な理由を添えます。「〇〇大学〇〇学部 中途退学(家庭の事情により)」のような形で十分です。転職では学歴よりも職歴が重視されるため、学歴欄は簡潔に、正確に書くことに集中しましょう。

学歴 2012年3月 東京都立〇〇高等学校 卒業 2012年4月 〇〇大学 経済学部 経済学科 入学 2016年3月 〇〇大学 経済学部 経済学科 卒業
職歴の書き方。入社・退職を1行ずつ、部署と業務を1行
職歴欄は、学歴欄を書き終えたあとに1行空けて、中央に「職歴」と書いてから始めます。会社ごとに、入社を1行、その下に配属された部署と担当業務を1行、退職を1行という並びで書きます。会社名は「株式会社」を省略せず正式名称で、部署名も略さずに書いてください。業務内容は職務経歴書に詳しく書くので、履歴書では「営業部にて法人向け新規開拓営業を担当」程度の1行にまとめます。
退職の行は「一身上の都合により退職」が基本形です。会社都合の場合は「会社都合により退職」、契約期間の満了なら「契約期間満了により退職」と、事実に合わせて書き分けます。転職回数が多い場合でも、すべての職歴を省略せずに書きます。省略すると経歴詐称と見なされる可能性があるためです。
職歴をすべて書き終えたら、最後の行の右端に「以上」と書いて締めます。在職中の場合は「現在に至る」を書いてから、次の行に「以上」を書きます。行数が足りない場合は、部署と業務の行を省略して入社と退職だけにするか、職歴欄の広い様式に切り替えて対応してください。
職歴 2016年4月 株式会社〇〇 入社 営業部に配属 法人向け新規開拓営業を担当 2020年9月 一身上の都合により退職 2020年10月 株式会社△△ 入社 マーケティング部に配属 Web広告の運用を担当 2026年8月 一身上の都合により退職 以上
在職中の場合の書き方
現在の会社に在職したまま転職活動をしている場合は、退職の行を書かずに、最後の職歴の下に「現在に至る」と書きます。その次の行の右端に「以上」を書いて職歴欄を締めます。退職予定日が決まっているなら、「現在に至る(2026年12月末退職予定)」のように括弧で添えておくと、入社可能時期が伝わって選考がスムーズになります。
在職中は入社可能時期が採用担当者の関心事になるので、本人希望欄に「内定後、1か月半程度で入社可能です」のように目安を書いておきます。引き継ぎに必要な期間を見込んで、現実的な時期を書いてください。あまりに先の時期だと、選考の優先度が下がることがあります。
在職中であることを隠す必要はなく、むしろ在職中の転職活動は一般的です。ただし、現職の会社に知られたくない場合は、連絡先に会社のメールアドレスや電話番号を書かないようにし、日中に電話に出られない時間帯があれば本人希望欄にその旨を書いておくと、企業側も配慮しやすくなります。
職歴 2018年4月 株式会社〇〇 入社 人事部に配属 中途採用の企画・運用を担当 現在に至る(2026年12月末退職予定) 以上
志望動機の型。経験、活かせる点、その会社である理由
転職の志望動機は、3つの要素を順番に並べると具体的になります。まず「これまでの経験」で、何を何年やってきたかを一文で示します。次に「その経験が応募先でどう活かせるか」で、募集職種の業務と自分の経験の接点を書きます。最後に「数ある会社の中でなぜこの会社か」で、事業内容や方針、働き方など、その会社を選んだ理由を書きます。この順番なら、経験者としての説得力と志望度の高さが両方伝わります。
文字数は履歴書の欄に収まる200〜300文字程度が目安です。抽象的な言葉を並べるより、扱った商材、担当した顧客の規模、達成した数字といった事実を1つか2つ入れるほうが伝わります。同時に、応募先の企業情報を1つは具体的に取り上げてください。企業サイトや求人票に書かれている内容を自分の経験と結びつけるだけで、使い回しの志望動機とは明確に差がつきます。
志望動機の最後は、入社後に何をしたいかで締めます。「これまでの法人営業の経験を活かし、貴社の新規事業の顧客開拓に貢献したいと考えております」のように、応募職種でどう貢献するかを一文で書けば十分です。前職の不満や退職理由を志望動機に書くのは避けてください。
現職では6年間、IT企業向けの法人営業として新規開拓から既存顧客の深耕までを担当し、直近2年は年間目標を継続して達成してきました。貴社が中小企業向けに業務効率化ツールを展開されていること、特に導入後の伴走支援に力を入れておられる点に強く関心を持ちました。これまで培った提案型営業の経験は、貴社の導入企業の課題把握と継続利用の支援に活かせると考えております。入社後は新規開拓と既存顧客の両面で貢献したいと考えております。
本人希望欄と職務経歴書との役割分担
本人希望欄は、待遇や勤務条件について企業側に伝えておく必要があることを書く欄です。特に希望がなければ「貴社の規定に従います」と書きます。転職では、希望職種が複数募集されている場合の職種指定、入社可能時期、連絡がつきやすい時間帯などを書くことが多く、これらは選考を円滑に進めるための情報として歓迎されます。
一方で、給与や休日などの細かい条件を本人希望欄に並べると、条件面ばかり気にしている印象を与えます。譲れない条件が本当にある場合だけ簡潔に書き、それ以外は面接や内定後の条件交渉の場に回すのが現実的です。介護や育児など事情がある場合は、「〇〇のため、勤務地は〇〇県内を希望いたします」のように理由と希望をセットで書くと理解を得やすくなります。
履歴書と職務経歴書の役割分担も押さえておきましょう。履歴書は経歴の事実を定型で示す書類で、職務経歴書はその経歴の中身を自由な形式で詳しく説明する書類です。履歴書の職歴欄には会社名と部署、担当業務の概要だけを書き、具体的な実績や工夫、身につけたスキルは職務経歴書に書きます。両方を出す場合は、会社名や年月が完全に一致していることを必ず確認してください。
- 履歴書:学歴・職歴の事実、志望動機、本人希望を定型で簡潔に
- 職務経歴書:業務内容・実績・スキル・自己PRを自由な形式で詳しく
- 共通ルール:会社名・部署名・在籍期間は両方で完全に一致させる
転職の履歴書でよくあるNG
もっとも避けたいのが、空白期間を隠すことです。退職から次の入社まで数か月以上の期間がある場合、年月を操作して埋めたくなりますが、入社後に社会保険や雇用保険の記録で分かります。空白期間は隠さず正直に書き、面接で聞かれたときに「資格取得の勉強をしていた」「家族の介護をしていた」など、何をしていたかを簡潔に答えられるようにしておけば、それ自体が大きな減点になることは多くありません。
次に、退職理由を詳しく書きすぎることです。職歴欄には「一身上の都合により退職」で十分で、人間関係や待遇への不満を履歴書に書くと、次の会社でも同じ理由で辞めるのではないかと見られます。退職理由を説明したい場合は、面接で前向きな言い方に整えて話すのが基本です。履歴書に書くのは事実だけにとどめてください。
3つめが志望動機の使い回しです。どの会社にも当てはまる文章は、採用担当者に一読で見抜かれます。前述の型に沿って、その会社である理由を1つは具体的に入れ替えてから提出してください。このほか、西暦と和暦の混在、写真の古さ、誤字脱字、日付の書き忘れといった基本的なミスも、経験者の書類としては目立ちます。提出前にPDFや印刷物を通しで読み返す習慣をつけましょう。
- 空白期間を年月の操作で隠す(入社後に記録で分かる)
- 退職理由を詳しく書きすぎる、不満を書く
- 志望動機を使い回す(その会社である理由がない)
- 職歴の一部を省略する(経歴詐称と見なされることがある)
- 履歴書と職務経歴書で年月や会社名が食い違う
よくある質問
転職回数が多い場合、履歴書の職歴欄にはすべて書く必要がありますか。
すべて書きます。短期間の在籍であっても省略すると、入社後に社会保険などの記録から分かり、経歴詐称と判断されるおそれがあります。職歴が多くて欄に収まらない場合は、部署や業務内容の行を省いて入社と退職だけを書くか、職歴欄が広い様式の履歴書を使ってください。業務の詳細は職務経歴書で補い、転職の理由は面接で一貫した説明ができるように準備しておきましょう。
アルバイトや派遣、契約社員の経歴は転職の履歴書に書きますか。
正社員以外の経歴も、応募職種に関係する業務であれば書いたほうが有利です。書く場合は「株式会社〇〇 入社(契約社員)」「〇〇株式会社に派遣社員として就業」のように雇用形態を明記します。学生時代の短期アルバイトなど、応募職種と関係が薄いものは省いて構いません。ただし、空白期間が長くなる場合は、その期間に何をしていたかを説明できるよう、派遣やアルバイトの経歴を書いて埋める判断もあります。
転職の履歴書は手書きとパソコン作成のどちらがよいですか。
指定がなければパソコンやスマホで作成して問題ありません。転職では書類の内容が評価の中心であり、手書きかどうかで差がつくことはほとんどなくなっています。データで作成しておけば、応募先ごとに志望動機や日付を差し替えて印刷やPDF提出ができ、職務経歴書との整合も取りやすくなります。手書きを指定された場合はそれに従い、下書きをデータで作ってから清書すると書き損じが減ります。
履歴書の自己PR欄と職務経歴書の自己PRは同じ内容でよいですか。
同じ方向性で書き、履歴書は要約、職務経歴書は詳細という分担にします。履歴書の欄は狭いので、強みを1つに絞って100〜200文字程度にまとめ、職務経歴書ではその強みを裏付ける実績や具体的な取り組みを数字を交えて書きます。内容が矛盾していると信頼を損ねるため、履歴書に書いた強みが職務経歴書のどこで説明されているか、提出前に対応関係を確認してください。
退職理由を履歴書に書くよう求められた場合はどう書けばよいですか。
企業指定の様式に退職理由欄がある場合は、事実を簡潔に、前向きな表現で書きます。たとえば「より専門性を高められる環境を求めたため」「事業縮小に伴う退職」のように、1文から2文で十分です。前職の人間関係や待遇への不満をそのまま書くのは避けてください。面接で詳しく聞かれることを前提に、履歴書の記載と面接での説明が食い違わないよう、あらかじめ話す内容を整理しておきましょう。
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