農業・漁業・林業の職務経歴書の書き方|例文とテンプレート
農業・漁業・林業の職務経歴書は、「何を、どの規模で、どの季節にどう動いて生産してきたか」で読まれます。近年は個人経営から農業法人・漁業会社・森林組合や林業事業体への法人化が進み、通年雇用で人を採る事業者が増えました。採用担当者が見るのは、作付面積や出荷量といった規模感、トラクターやチェーンソーなど機械の運転資格、そして繁忙期と閑散期の差が大きい働き方に対応できるかです。

農業・漁業・林業の職務経歴書で押さえる3つのポイント
① 扱った品目と規模を数字で書く
「露地野菜2.5haでキャベツ・ブロッコリーを栽培し、年間出荷量120t」「施設トマト40a、ハウス8棟を4名で管理」「定置網漁で1日の水揚げ平均1.5t」「主伐・間伐の現場で年間施業面積30ha」のように、品目、面積や隻数、出荷量・水揚量を書きましょう。有機JASや特別栽培などの認証への対応経験も、生産管理の水準を示す材料になります。
② 機械・船舶・資格を正確に記載する
一次産業では機械操作が生産性を決めます。「トラクター(50馬力)、田植機、コンバインの運転」「大型特殊免許(農耕車限定)、けん引免許」「チェーンソー・刈払機の特別教育修了、車両系建設機械(整地等)技能講習修了」「小型船舶操縦士、海上特殊無線技士」など、所持資格と実際に動かした機種を書きます。日常点検や簡易な整備を自分でできることも強みです。
③ 季節変動への向き合い方を書く
一次産業は繁忙期と閑散期の差が大きい仕事です。「定植と収穫が重なる9〜11月は朝5時から作業し、冬期はハウスの補修と土づくりに従事」「冬季は造林・下刈りの端境期に研修と機械整備を実施」のように、一年の動き方を書きましょう。作型を組み替えて出荷を平準化した工夫は、通年で働ける人材であることの裏づけになります。
そのまま使える例文
職務要約の例文
農業生産法人 株式会社〇〇にて、5年間、露地野菜の生産に従事してまいりました。キャベツ・ブロッコリーを中心に作付面積2.5haを担当し、年間出荷量は約120tです。トラクター(50馬力)での耕うん・畝立てから定植、防除、収穫、出荷調製までを一貫して行い、繁忙期はパート4名の作業指示も任されております。大型特殊免許(農耕車限定)とけん引免許を保有し、機械の日常点検と簡易な整備も自分で対応してまいりました。
業務内容・実績の例文
露地野菜2.5haでキャベツ・ブロッコリーを栽培し、年間出荷量は約120t。トラクターでの耕うん・畝立てから定植、防除、収穫まで担当しました。 定植と収穫が重なる9〜11月はパート4名の作業割り当てと出荷調製の進行を管理。出荷規格の選別基準を写真で共有し、返品をゼロに抑えました。 防除履歴と施肥設計を圃場ごとに記録して農薬の使用基準を遵守。特別栽培農産物の認証申請に必要な栽培記録の作成も担当しました。 冬期は機械整備とハウスの補修、堆肥散布による土づくりに従事。トラクターの消耗部品交換を内製化し、年間の修理費を約15万円削減しました。
活かせる経験・知識・技術の例文
大型特殊免許(農耕車限定)/けん引免許 トラクター・田植機・コンバインの運転と日常整備 チェーンソー・刈払機の特別教育 修了 防除履歴・施肥設計の記録作成(特別栽培の認証対応)
自己PRの例文
前職の農業生産法人では露地野菜2.5haを担当し、「記録を残して翌年に活かす」ことを続けてまいりました。圃場ごとに播種日、施肥量、防除履歴、収穫量を記録して前年と比較し、定植時期を1週間ずらす調整を行った結果、出荷が集中する時期の作業負荷を平準化できております。繁忙期はパート4名の作業割り当ても担当し、出荷規格の選別基準を写真で共有することで返品をゼロに抑えました。貴社でも、機械作業と栽培管理の両方を担いながら、数字で改善を積み重ねる生産者として貢献いたします。
よくある惜しい書き方と、その直し方
惜しい自然が好きで、体力には自信があります。
直した例露地野菜2.5haを担当し、年間出荷量は120t。9〜11月の繁忙期は朝5時からの収穫と出荷調製を5年間続けてきました。
「自然が好き」「体力に自信」は志望動機としては弱く、実務の量が伝わりません。担当した面積、出荷量、繁忙期の働き方を書くことで、季節変動の大きい現場で続けられる人だと具体的に示せ、採用側が心配する早期離職の不安も打ち消すことができます。
惜しい農業機械の操作ができます。
直した例トラクター(50馬力)での耕うん・畝立て、田植機とコンバインの運転経験があり、大型特殊免許(農耕車限定)を保有しています。
「操作ができます」では機種も規模も分かりません。動かせる機械の種類と馬力、保有する免許や特別教育の修了を書くことで、入社初日から任せられる作業が判断でき、事業者が所有する機械の構成と合うかどうかも確認してもらえます。
よくある質問
農業・漁業・林業の経験がまったくありませんが、就職できますか?
できます。法人化が進んだことで、未経験者を通年雇用で採用し、研修から育てる事業体が増えています。職務経歴書には、体を使う仕事の経験、車両や機械を扱った経験、早朝勤務や屋外作業への対応可否を書きましょう。普通自動車免許は多くの現場で必須です。就農相談会や林業の研修制度の利用実績も有効です。
実家の農業を手伝っていた期間は、職務経歴になりますか?
なります。雇用契約の有無にかかわらず、従事した期間、担当した品目と面積、行った作業を具体的に書いてください。「実家の水田3haで、田植えから稲刈り、乾燥調製までを10年間担当」と書けば立派な実務経歴です。あわせて運転できる機械と保有資格を記載すると、即戦力として判断されます。
収入が季節で変動するのが不安です。応募前に何を確認すべきですか?
求人票の雇用形態と賃金体系を確認してください。法人化した事業体では月給制の通年雇用が一般的で、閑散期は加工、機械整備、別作目の栽培などに従事します。面接では、一年の作業カレンダー、繁忙期の勤務時間、閑散期の業務内容を質問しましょう。答えが明確な事業者ほど、雇用の体制が整っています。
