会計・税務・士業事務所の職務経歴書の書き方|例文とテンプレート
会計・税務・士業事務所の職務経歴書は、「何件の関与先を、どの規模で、どこまで一人で完結できるか」で評価されます。採用担当者が見るのは、記帳代行の担当件数、月次巡回監査での試算表の仕上げ方、決算・申告をどこまで手を動かして作成できるかです。使用していた会計ソフトと税務ソフトの名称、日商簿記や税理士試験の科目合格状況は必ず確認されます。確定申告期の繁忙にどう向き合ったかも、定着を判断する材料になります。

会計・税務・士業事務所の職務経歴書で押さえる3つのポイント
① 関与先の件数・規模・業種を書く
「記帳代行を月40社担当、うち年商1億円以下の個人事業主が25件」「月次巡回監査を担当20社、法人決算を年間15件作成」のように、件数、規模、法人か個人かを具体的に書きましょう。業種(建設業、飲食業、医療法人、不動産賃貸業など)を添えると、業種特有の論点に慣れているかが伝わります。事務所の規模(税理士〇名、職員〇名)も経験の背景として有効です。
② 担当業務の範囲を工程で示す
「会計」とひとまとめにせず、工程で書きましょう。「証憑の整理と仕訳入力」「試算表の作成と前年同月比の分析」「給与計算と年末調整」「消費税・法人税の申告書作成」「税理士の確認を受けてe-Tax・eLTAXで電子申告」のように、どこまで自分で仕上げ、どこから有資格者の確認が入るかを明示すると、任せられる範囲が正確に伝わります。
③ 簿記・税理士科目と使用ソフトを明記
日商簿記2級・1級、税理士試験の科目合格(簿記論、財務諸表論、法人税法など)、全経上級などは取得年月とともに記載しましょう。使用ソフトも重要です。弥生会計、freee、マネーフォワード クラウド、勘定奉行、TKC、JDL、達人シリーズなど、実際に触ったものを正確に書くと、入所後すぐに戦力になることが伝わります。
そのまま使える例文
職務要約の例文
税理士法人〇〇(税理士3名・職員12名)にて、4年間、法人および個人の関与先を担当してまいりました。記帳代行を月40社、月次巡回監査を20社受け持ち、証憑整理から仕訳入力、試算表の作成と前年同月比のご報告までを一貫して担当しております。法人決算は年間15件、個人の確定申告は年間60件を作成し、税理士の確認を経てe-Taxで申告まで実施。日商簿記2級を保有し、税理士試験は簿記論・財務諸表論に合格しております。
業務内容・実績の例文
記帳代行を月40社担当。証憑の整理から弥生会計・マネーフォワード クラウドへの仕訳入力、月次試算表の作成までを期日内に完了しました。 月次巡回監査20社を担当し、毎月訪問して試算表をご説明。前年同月比と資金繰りの推移を資料にまとめ、社長からのご質問に一次回答しました。 法人決算を年間15件、個人の確定申告を年間60件作成。税理士の確認を受けたうえで、e-TaxおよびeLTAXで電子申告まで実施しました。 関与先10社の給与計算と年末調整を担当。社会保険料の改定や扶養控除等申告書の回収スケジュールを管理し、期限内提出を継続しました。
活かせる経験・知識・技術の例文
日商簿記2級/税理士試験 簿記論・財務諸表論 合格 弥生会計、マネーフォワード クラウド、TKCでの記帳 法人税・消費税申告書の作成とe-Tax/eLTAXでの電子申告 年末調整・法定調書合計表・償却資産申告の実務
自己PRの例文
前職の税理士法人では記帳代行40社と月次巡回監査20社を担当し、「試算表を早く出す」ことに一番力を入れてまいりました。関与先ごとに証憑の提出期限と提出方法を取り決め、領収書を写真で送っていただく方式に切り替えた先を増やした結果、月次試算表の完成を平均で10日ほど前倒しできております。確定申告期も、12月までに個人事業主の記帳を進める段取りへ変え、3月の残業時間を前年より抑えました。貴事務所でも、期限を守りながら関与先のご質問に自分で答えられる担当者として貢献いたします。
よくある惜しい書き方と、その直し方
惜しい会計事務所で記帳や決算の補助を行っていました。
直した例記帳代行40社と月次巡回監査20社を担当し、法人決算15件・個人確定申告60件を作成。税理士確認後にe-Taxで申告しました。
「補助」では担当件数も到達レベルも分かりません。関与先の件数と、自分が手を動かした工程、税理士など有資格者の確認が入る位置まで書くことで、入所後に任せられる業務範囲を採用側が正確に見積もることができ、給与や役割の提示にもつながります。
惜しい簿記の知識を活かして、正確な処理を心がけていました。
直した例日商簿記2級と税理士試験の簿記論・財務諸表論の合格を活かし、建設業の工事原価管理や個人の不動産所得の計算を担当しました。
「簿記の知識」では級も扱えた論点も伝わりません。資格の級や税理士試験の科目合格を明記し、実際に処理した業種特有の論点を挙げることで、知識が実務で使える形になっていることが証明でき、事務所の関与先の業種と合うかどうかも判断してもらえます。
よくある質問
税理士事務所は未経験ですが、簿記2級があれば応募できますか?
応募できます。多くの事務所が日商簿記2級を実務未経験者の採用基準としています。職務経歴書には、経理や営業事務で仕訳・請求書処理・売掛金管理を扱った経験を書きましょう。会計ソフトを触った経験があれば製品名まで記載します。税理士試験の受験予定や学習中の科目を添えると、長く働く意思が伝わります。
確定申告期の繁忙について、面接では何を聞かれますか?
1月から3月にかけての残業や休日出勤にどう対応できるかを確認されます。職務経歴書には、前職の繁忙期に担当した申告件数と、繁忙を平準化するために工夫したこと(年内の記帳前倒し、資料回収スケジュールの設定など)を書きましょう。事実をもとに話せると、働き方の希望も伝えやすくなります。
税理士試験の科目合格がありません。不利になりますか?
不利にはなりません。事務所には、資格取得を目指す職員と、実務で長く関与先を支える職員の両方が必要です。科目合格がない場合は、担当件数、対応できる業種、決算や申告をどこまで作成できるかという実務の到達点を詳しく書きましょう。受験の方針を正直に伝えたほうが、入所後のミスマッチを防げます。
