電気・電子設計の職務経歴書の書き方|例文とテンプレート
電気・電子設計の職務経歴書は、どの回路を、どの工程まで担当したかで評価が決まります。採用担当者は、アナログかデジタルか、電源かセンサかという回路の種類に加え、回路図の作成からアートワーク指示、試作評価、量産立ち上げまでのどこを自分の手で動かしたかを見ています。使用した回路CADやシミュレータ、EMC試験や安全規格への対応経験まで書き切ることで、入社後に任せられる開発テーマが明確になります。

電気・電子設計の職務経歴書で押さえる3つのポイント
① 担当した回路の種類と仕様を明記する
アナログ、デジタル、電源、高周波では求められる技術がまったく違います。「DC/DCコンバータ(入力24V・出力5V/2A)の回路設計」「STM32を用いた制御基板の回路設計と4層基板のアートワーク指示」のように、入出力の電圧・電流、基板の層数、搭載部品点数まで書きましょう。扱った製品の年間生産台数や目標原価を添えると、コストを意識して設計できる技術者だと伝わります。
② 量産までのどの工程を回したかを書く
仕様検討、回路図作成、部品選定とBOM作成、アートワークレビュー、試作評価、DRBFM、量産移行、市場不具合の解析のうち、どこを担当したかを並べます。「評価項目表を50項目作成し、温度試験と振動試験を実施」「試作2回で量産移行」のように、工程と件数をセットで書くと具体性が出ます。量産立ち上げまで経験していること自体が、設計経験者の中でも強い差別化になります。
③ EMC・安全規格と不具合解析の実績を示す
電子機器の設計では、動作させることよりも規格試験を通すことが難関になります。CISPRやVCCI、IEC規格への適合試験で、放射ノイズをフィルタ追加とパターン変更により何dB下げたのかを数値で書きましょう。LTspiceでのシミュレーション、オシロスコープやスペクトラムアナライザを使った波形解析など、原因を切り分けた手順まで記載すると、実務で使える技術力が伝わります。
そのまま使える例文
職務要約の例文
株式会社〇〇にて6年間、産業用機器の電気・電子設計を担当してまいりました。入社後3年間はセンサアンプ基板のアナログ回路設計に従事し、その後はマイコン搭載制御基板の回路設計と4層基板のアートワーク指示を担当しております。回路CADはOrCADとAltium Designerを使用し、試作評価からEMC試験対応、量産移行までを一貫して対応。年間4機種の新規開発を推進してまいりました。
業務内容・実績の例文
産業用センサ向けDC/DCコンバータ基板(入力24V・出力5V/2A)の回路設計を担当し、部品選定と放熱設計の見直しにより変換効率を88%から92%へ改善しました。 STM32マイコンを搭載した制御基板について、仕様検討から回路図作成、部品選定とBOM作成、4層基板のアートワーク指示までを一貫して担当しました。 放射ノイズがCISPR規格を3dB超過した案件で、コモンモードチョークの追加とGNDパターンの見直しにより8dB低減し、再試験で合格させました。 量産移行前のDRBFMを主催して故障モードを32件抽出し、うち7件を回路変更で対策することで、量産開始後の初期不良率を0.3%に抑えました。
活かせる経験・知識・技術の例文
回路CAD(OrCAD、Altium Designer) LTspiceによる回路シミュレーション 第三種電気主任技術者(2022年取得) オシロスコープ・スペクトラムアナライザでの波形解析
自己PRの例文
前職では、量産直前のEMC試験で不合格となった制御基板の対策を任されました。スペクトラムアナライザで超過している周波数を特定し、電源ラインとGNDパターンの取り回しが原因だと切り分けたうえで、フィルタ追加と基板レイアウトの変更を2週間で実施し、再試験に合格させて納期を守りました。回路が動作することと、規格を通って量産で安定することは別だと考え、設計段階から部品のディレーティングと評価項目を詰める進め方を徹底しております。この不具合解析力と量産を見据えた設計姿勢を活かし、貴社の製品開発に貢献いたします。
よくある惜しい書き方と、その直し方
惜しい回路設計を担当し、製品化に貢献しました。
直した例車載向けLED駆動回路(入力12V・出力350mA)の回路設計と4層基板のアートワーク指示を担当し、試作2回で量産移行しました。
「回路設計」だけでは、アナログか電源かデジタルか、どの工程まで担当したかが分かりません。扱った回路の種類と電圧・電流、基板仕様、量産移行までの関与範囲を書くことで、自社のどの開発テーマに配属できるかを採用側が判断できます。
惜しいEMC対策の経験があります。
直した例放射ノイズがCISPR規格を3dB超過した基板で、フィルタ追加とパターン変更により8dB低減し、再試験に合格させました。
EMC対策は経験の有無より、原因をどう切り分け、どの手段で何dB下げたのかが評価されます。使用した測定器、対策の内容、改善量を数値で書くことで、同じ不具合が起きたときに任せられる技術者だと具体的に伝わります。
よくある質問
電子回路の設計は未経験ですが、応募できますか?
できます。製造ラインや評価・検査、フィールドサービスなど電子機器に触れてきた経験は評価されます。まずは評価・実験担当や設計アシスタントとして入り、オシロスコープでの測定経験や回路図の読図力を職務経歴書に書きましょう。独学の場合は、LTspiceでのシミュレーションや自作基板の設計データを成果物として提示すると実力が伝わります。
担当製品が守秘義務で書けない場合はどうしますか?
製品名や顧客名は「産業用機器メーカー向け」「車載部品」のように業界と用途へ置き換えて書きます。技術的な中身は、電源回路・信号処理回路といった回路の種類、電圧・電流・基板層数、担当した工程で表現すれば、守秘義務に触れずにスキルを伝えられます。面接でも同じ粒度で話せるよう準備しておきましょう。
電気主任技術者などの資格は必要ですか?
回路設計そのものに必須の資格はなく、実務では回路図と評価データが評価の中心になります。ただし第三種電気主任技術者やエネルギー管理士、工事担任者は電気の基礎知識を客観的に示せます。未経験から目指す場合は、学習の証明として取得予定の資格と受験年度を職務経歴書に書くと有効です。
